【ちょっと書評】半沢直樹シリーズ第3作 ロスジェネの逆襲

ロスジェネの逆襲(池井戸潤)


<Amazonより>ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。

シリーズ3作目なので、身分不相応な人事異動や突然の契約破棄など、理不尽な現実をつきつけられた半沢直樹がどう動くか、というのは過去2作を読んだ方であれば想像できるのではないでしょうか。
そして、破天荒に見えるけどまったくブレのない半沢の生き方に共感し、応援できる読者には、期待した以上のクライマックスと痛快なラストが待っている。それが、このシリーズの魅力ですね。

ちなみに「ロスジェネ」とは、「ロストジェネレーション」の略で、日本においてはバブル崩壊後の就職氷河期に就活を行った世代のことを意味します。「ロスジェネ世代」の優秀な部下が「バブル世代」の能なし上司の尻拭いをしている、というのは組織を世代論で語る時によく用いられる表現ですが、この物語のなかで半沢は「世代論に根拠などない」と断言しています。「バブル」vs「ロスジェネ」という、タイトルから想像しがちな図式は、いい意味で裏切ってくれていますよ。
半沢直樹シリーズとしてまだまだ続いていきそうですし、この7月からTBSでスタートしたドラマ「半沢直樹」も注目を集めています。ドラマの原作は過去2作の「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」ですから、この「ロスジェネの逆襲」は映画化の可能性も十分にありますね。小説の新作と合わせて、楽しみに待ちたいと思います。

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