東京都知事選挙 投票立会人@町田市某所

投票立会人
先日の東京都知事選挙は、朝6時30分から夜8時まで、投票立会人として町田市某所の投票所に詰めていました。
投票立会人とは投票事務が公正に行われるように公益代表として立ち会う人のことで、私はこの投票区で投票管理者を務めている方に頼まれ、社会勉強のつもりで引き受けたのでした。

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投票立会人の仕事

主な仕事は(1)最初の有権者が投票する直前に、投票所内にいる他の有権者とともに、投票箱のなかに何も入っていないのを確認すること。(2)同じ人が投票に来た場合に投票管理者に伝えること。(3)有権者が投票用紙を持ち帰らないよう監視すること。(4)投票箱を開票所に送致する際に投票管理者に付き添うこと。(5)投票管理者の求めに応じて意見を述べること。オフィシャルではこの5つです。

とはいえ、現場では投票管理者から難しいことを聞かれることはなく、有権者から質問をうけることもありません。身体が不自由な方の対応などは選挙管理員会のスタッフの仕事なので、最初に投票箱のなかを確認し、それ以降は、投票された方にねぎらいの言葉をかけるのが、僕の唯一の仕事でした。もうひとりの立会人が「お疲れ様でした」と言われるので、僕はワンテンポ置いて「ご苦労様でした」と言って軽く会釈していました。

投票所の出入口の扉は開け放たれていますが、ベンチコートの下にスキー用のインナーを着こみ、ゴム長に二重の靴下。ひざ掛けに座布団にカイロも用意していたので寒さは気にならなかったです。休憩は1時間ごとに10分(昼休みは45分、夕食時は30分)。この投票所は団地の一角にあり、集会所を休憩所として使っていましたので畳の上で横になることもでき、お茶菓子も用意されていたので居心地はとても良かったですよ。

投票所は人間観察の場

これといった仕事がないのに退屈しなかったのは、人間観察を楽しんでいたからです。受付をして、投票券を受け取り、立候補者の指名を記入して、投函する。ただそれだけのことなのに、人のやることはどうしてこうも違うのかと。

特に、記入から投函までの流れはバリエーションが豊かでした。健常者なのに点字・代筆用と書かれた場所を使う人、一目散に最も奥の場所を目指す人、奥が空いているのに手前の場所が空くのを待つ人、記入する際に候補者の名前を叫んじゃった人、お尻を振って踊ってしまった女性、記入したあとで投票箱を見失う人、投票用紙を縦に折る人、横に折る人、折らない人、折りかけて投票箱に近づき折らなくても投函できること気づく人、4つ折にする人、幼い子供に投函させる人、親が持つ投票用紙を奪い合う幼い姉妹、こんな場所なのに博多弁で亭主関白ぶりを見せつける老人、立会人に深々と頭を下げて去っていく人・・・・・「頭上注意」と書いている入り口で頭をぶつけた長身の人も何名かいらっしゃいました。

なかでも不思議だったのは、奥の席が空いているのに手前が空くのを待つ人があまりにも多かったこと。これにもう一人の立会人さんも首をかしげていて、人の流れが切れた時に検証したほど。確かに、投票用紙を受け取る位置からはパーティションが重なって見えるのですが、それにしてもなぁ、と。最終的には、最高裁判所裁判官国民審査の投票もあると勘違いした人が奥へ行くのをためらったのではないかと推測。投票箱はひとつしかないのですけどね。

いい経験をさせていただきました

感心したのは、身体が不自由な有権者が来場された時の選挙管理委員会のスタッフの方々の立ち振舞いです。もう何度も経験されているのでしょうが、受付で移動を促すための言葉の選び方や、記入から投函までの介助の方法など、すべてにおいて無駄がなく丁寧。プロの仕事を見せていただきました。あとは細かなことになりますが、床に残された雪の塊を拾う、お待たせしている方に椅子を用意する・・・もう一人の立会人さん、投票管理者さんのそんな立ち振舞いを見て、自分の至らなさに気づいた次第です。本当にいい経験をさせていただきました。規則で立会人は一度きりということなので次はありませんが、願わくばもう一度、と思っているほどです。ちなみに、立会人の報酬は15,800円。所得税を引いた額が1ヵ月後に振り込まれる予定です。

この投票区の投票率はわずか36.8%

投票率については、これほど低いとは思わなかったですね。
この投票区には約4600人の有権者がいるのですが、午前中の投票率はわずか7%。30%を超えたのが午後3時過ぎでしたので、この時点で50%には届かないという雰囲気に包まれ、最終的には36.8%という低い数字になりました。
雪の影響が10%はある、という声も上がっていましたが、車いすの方や目の不自由な方が投票される姿を目のあたりにすると、それを理由にするのもどうかと。それにあと10%を加えても46.8%。投票率が5割に満たない選挙にどれほどの意味があるというのでしょうか。

ただ、立会人として一日を過ごした感覚では、7割、8割というラインになっていたら何かしらのトラブルが発生していたと思います。人が足りない事態にはならなかったと思いますが、投票受付の端末に予備はなし。投票率が上がらないことを嘆きながらも、上がることを想定した備えをしていないという矛盾が横たわっているのを感じていました。

メディアの出口調査が投票率を下げているのでは?

挙句、鍵をかけた投票箱をトランクに入れ、終日、休憩所で待機していた警察官と一緒にタクシーに乗り込んだ瞬間、運転手はしたり顔でいいました。
「舛添さん、当確らしいですよ。いま、ラジオで」
そして遅まきながら気づきました。投票率が上がらない元凶は、メディアの出口調査ではないかと。

最後の有権者の投票から、まだ10分と経っていないのに「当確」って。これが「結果は最初から決まっているから投票に行くだけ無駄」という意識を生んでいるのではないしょうか。前日投票の出口調査で優勢・劣勢を聞けばなおさらでしょう。もちろん、過去には投票率が7割を超えた選挙もありますが、出口調査がなければ8割に届いていたかもしれないと思うわけです。
投票管理人さんによると、この投票区でも数年前に出口調査を行ったことがあるとのこと。事前に連絡があったので許可したと言っておられたけど、断りましょうよ。出口調査をさせておきながら投票率の低下を嘆くなんて笑い話にもなりません。

開票所の体育館に到着すると、警察官と選挙管理委員会のスタッフらしき人が出迎えてくれ、投票箱と鍵をひきわたしました。煌々とした照明の下では100名ほどのスタッフが忙しなく動きまわっていて、いよいよ開票が始まるのですが、すでに当確は出ています。この人たちも、これでいいのでしょうか。虚しくないのでしょうか。
誰が当選したのかを調べるのではなく、誰が何票獲得したのかを知るためです!と言われれば、返す言葉がありませんが。

出口調査、一度やめてみてもいいんじゃないでしょうか。
結果が変わらなければ戻すということで。

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