【ちょっと映画レビュー】マイ・インターン(2015年・アメリカ)

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世代を超えて信頼されるのは、こういう人

「シン・ゴジラ」「君の名は。」「怒り」……。劇場公開中の話題作も気になっているんですけどね。人から漏れ出す光や音や臭いやらでどうにも落ち着かない空間になってしまった劇場で我慢しながら新作を観るよりは、ラインアップがすごいことになっているWOWOWとAmazonプライム・ビデオを自宅で心ゆくまで―――というわけで、今回のレビューも新作ではなく、名作です。

ファッションサイトの成功によってセレブの仲間入りをした若き女性社長のもとに、会社員生活をリタイアした70歳の男性がシニア・インターンとしてやってくる。サスペンス色の薄い設定であり、演じるのがアン・ハサウェイとロバート・デ・ニーロとくれば、面白さは約束されたようなもの。アン・ハサウェイが超一流ファッション雑誌のアシスタントを演じた「プラダを来た悪魔」をイメージしたら、あとは肩の力を抜いて楽しむだけです。

一言で表せば、とてもスマートで心地いい作品です。これだけ身なりがよく、勤労意欲に溢れた70歳がどれだけいるだろうか?と考えずにはいらせませんが、恋愛のアドバイスやクラシカルな持ち物に対する愛着、若者のファッションに関する素朴な疑問をきっかけに職場の仲間たちと信頼関係を築いていく過程の描き方はすごく好きです。日本の作品なら、同じような設定でも必要以上にデフォルメが効いたキャラクターとの時代遅れの対決シーン(セクハラ論争)などが盛り込れてしまう気がします。

最も好きなのは、ベン(ロバート・デ・ニーロ)がジュールズ(アン・ハサウェイ)の娘を自宅に送り届けたあとのシーン。はからずも目撃してしまった夫の秘密を、スマホで撮影してしたり顔で報告するのが”今風”かもれませんが、彼は娘が心に傷を負わないように配慮して、大人の振る舞いをする当人たちを目の前にしても黙して語らず。請われて初めて話を聞き、真剣に答える。それができる人は世代を超えて信頼されるということでしょうね。
スーツの着こなしを含めて見習いたいと思います。