右脚のかかと周辺に鈍い痛みを感じるようになったのは、2016年の9月頃のことです。11月下旬に開催されるハーフマラソン大会に向け、インターバルやダッシュを含めて1週間に20~30キロ(週2~3回程度)ほど走り込んでいるうちに痛みが取れなくなってきたのです。日常生活には支障がないものの、もともと僕は痛みに強くなく、2013年の春に右脚のアキレス腱を断裂していることもあって、ランニングを中止。11月に入っても症状が改善されなかったので、やむなくハーフマラソンの出場は見送りました。
ランニングを再開したのは2017年の2月です。今度は4月末のハーフマラソンにエントリーして、2月24km、3月102km、4月80kmと順調にメニューを消化し、初めてのハーフマラソンを2時間7分で完走しました。その間は痛みのことは忘れていて、5月以降も月間30~50km程度のランニングを続けていたのですが、8月に入るとまた痛みが・・・・・・。
痛くてどうにもならない、というわけではないんですよね。我慢して2キロくらい走ると痛みが抜けることもあるのです。でも、翌朝は足首全体がガチガチに硬くなってしまうし、眠っている時にふくらはぎが痙攣することもあったのでまたしてもランニングを中止。2カ月間静観しても状況は変わりませんでした。放っておくとまたいつまにか痛みを忘れているのかもしれませんが、何度も同じことを繰り返すのもアレなので、今回はいろいろと対策を講じてみました。
その1:スポーツ系疾患に強い医療機関で受診。
ネットで検索しているうちに疾患名についてはなんとなく見当がついていましたが、はっきりさせるために医療機関へ。受診したのは小田急線町田駅からほど近い『かもめクリニック』。院長の工藤 敏治さんは、サッカーJ1リーグの横浜F・マリノスのチーフドクターとコンサドーレ札幌のチームドクターを歴任されており、ヘッドトレーナーの太田原 裕幸さんは
男子サッカーU-15日本代表のトレーナーでもあるということで、ここしかないと。
診察は院長。痛みについて具体的に話すと、アキレス腱炎で間違いなく、治療については「レーザーを当ててもいいけど、毎日の生活で使わないわけにはいかない箇所だし年齢的なものもあるから、治りは遅くなる。大会に出るのでなければ、痛みが引くまでランニングは休んで、駅では階段を歩かないようにするとか、負荷を軽減しましょう」とのこと。
最も心配していたアキレス腱断裂の影響は、つま先立ちをしてみせたら「アキレス腱は完治しているから関係ないよ」ときっぱり(縫合手術ではなく保存療法を選択したことについては渋い顔をされましたが)。ランニング前後のケアについてアドバイスをもらって終了、となりました。
ちなみのこの『かもめクリニック』。予約制ではないから行けば必ず診てもらえるし、総合病院の整形外科ほど高齢者が多くないので待ち時間も短いです。町田でスポーツクリニックを探している方、おすすめですよ。
その2:ストレッチポールを使って下半身のストレッチを開始。
メニューについては、プロ野球楽天イーグルスの元トレーナー・水戸部哲也氏(マッスルケア仙台)が公開している動画の内容をそのまま実践。やってみて「痛いところをつぶしていく」という感覚がケアにつながっていると感じたので、痛みが治まるまでの期間は毎日、再開後はランニング前に必ず行うようにしました。
むこうずね、大腿部の外側など、最初は痛くてたまらなかった(ストレッチポールEXはそれなりに硬いので)箇所が次第に「イタキモチいい」と感じられるようになったのがひとつの変化なのでしょう。夜中にふくらはぎが痙攣することもなくなりましたよ。
その3: ランニングシューズを買い換えました。
走っている時に違和感を感じることはなかったのですが、右足のソールのかかと部分が剥がれていたのでシューズを買い換えました。adidas Duramo 8。Boostからの買い換えだと価格的にはグレードダウンですが、フルマラソンを走ることはもうないですし(多分)、10数年前、ランニングを始めた時に購入したのがadidasのエントリーモデルだったので、初心に戻るという気持ちで。ソールが硬すぎるかな?と思いましたが、何日かウォーキングをすしたら気にならなくなりました。
その4:フォームを修正しました。
ランニングを始めた頃から背筋を伸ばし、胸を張ることを意識して走っていて、重心が少し後ろにかかり過ぎるきらいがあることは自覚していたので、フォームを修正。骨盤と肩の位置を少し前にして、気持ち程度前傾姿勢に。ストライドもちょっとだけ拡げました。それによって足底の着地位置が、かかとからつま先方向へ少しだけ移動しました。足の着地位置については、かかと、ミドル、フットなど、いろんな意見があると思いますが、僕はかかとへの負荷を軽減できて、自分のペースで気持ちよくランニングができるところが正解だと思っています。
その5:普段使いのビジネスシューズに「シダスインソール」を使用。
仕事用のウォーキングシューズ(HAWKINSのトラベラー)に使用していた薄い中敷きを、「シダスインソール」に交換しました。この「シダスインソール」にはランニング用モデルもありますが、僕は10代の頃からかかとに疲れがたまりやすい体質で、朝から外出すると夕刻には靴を脱いでアイシングをしたくなります。アキレス腱炎を発症してからは駅から自宅まで歩くのがいっそう辛くなってきたので、まずはこれを軽減するためにウォーキングシューズに使用することにしたのです。
購入したのは「シダス インソール ビジネス用 薄型モデル ウォーク 3D ブラック」。価格はAmazonでも4,000円ほど。安価ではないので靴の形状に合わせて先端をカットする時はなかなかの緊張感でしたが、履き心地の良さは想像以上。クッション性が優れているうえに靴のなかでかかとがズレないので、疲れは激減。今までのソールは一体何だったのかと思えるほどで、歩くのが楽しくなり、次第にかかとの痛みも感じなくなりました。
その6:ランニングの後は”氷のう”でアイシング。
ランニング後のアイシングは、その1で紹介した『かもめクリニック』の工藤院長、その2で登場する『マッスルケア仙台』の水戸部氏ともすすめておられたので、ランニング再開後ただちに実践しました。
僕が使っているのはアシックスのアイスバッグ(氷のう)とアイシングホルダー。冷やす時間は15分おきに3回(15分アイシングしたら次の15分は外す)。再開するまでにいくつかのアイテムを試しましたが、この組み合わせがベストでした。
かかと(足首も含めて)はアイシングが難しい箇所ですが、この組み合わせだと部屋のなかを歩きまわってもズレないホールド力がありますので、アイシングをしながら食事の用意をすることもできますよ。もちろん、ひざやひじにも使えますので、スポーツをされる方は持っておいて損はありません。
まとめ
いかがでしたか?僕がランニングをするのは体力維持とストレス解消のためで、レースに出場することが目的ではありません(できれば年に一度くらいはハーフマラソンに参加したいとは思っています)。ですから痛みがひくまで休養しました。年齢的なこともあって長くなってしまいました(約2カ月間)が、現在は週に2~3回程度(1回5km)のランニングを楽しんでいます。不安が消えたわけではなく、おそるおそるという感じですが、ケガをする前のように10km~20kmの距離を気持ちよく走れるように身体を整えていくつもりです。
ストレッチ、フォーム、シューズと同時期にいろんなことを変えたので、アキレス腱炎の痛みを軽減するうえで何が最も効果的だったのは分かりませんが、今回のケガでつくづく感じたのは自分にとって無理のないペース、距離でのランニングでも足腰へ少なくない負担をかけているのだということ。だから鍛錬になるのですが、ケガを予防し、長く続けていくためには準備とケアが大事だと学びました。
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